情報提供

2025/09/15 Monday 07:37

コストパフォーマンス

相場が高止まり、先行きが非常に不鮮明、毎日平気で10セントずつ動くようなここ数年に於いて、使用する商品やオリジン選びも相当難しい状況と思います。
例えば、これまで「コスパを語る際にはこの商品」が通用していても、昨今では買付から入港までの相場変動次第で結果的にコスパ品とはならなかった・・・となることも珍しくありません。
こういう結果論で答えが変わる問題はいくら考えてもどうしようもありませんが、それでも結果論としての傾向でコスパが高いと思うオリジンがあります。

それはルワンダです。(私がアフリカ担当なので独断と偏見でアフリカオリジンの中から選んでいます)
価格についてはルワンダの買付時期がここ2年に於いてその後相場が急騰する前段階にあたることもあり、あくまで結果論として優位となりました。
それ以外でも、コスパが良くなる要素として非常に重要な「品質の安定性」が優秀です。
ウォッシングステーションでの原料(チェリー)受入れ精度、ポテト臭排除の為の徹底されたハンドピック、買付可能期間から船積み及び入港までのリードタイム(早い)などなどが上手く機能し毎年かなり品質安定している様に感じています。

用途によってやはりポテト臭が使用検討に於いてクリティカルな問題になりかねないはネックに違いありませんが、仮に全オリジンでコスパトーナメントを開催したら間違いなく上位に食い込むでしょう。(繰り返しますが、思いっきり独断と偏見です)

これを言うと身も蓋もありませんが、このような相場ではそもそも1商品を切り取って瞬間風速のコスパを語るのはナンセンスな気もしてきます。
年間を通して複数の商品の組み合わせや切り口で高コスパを実現する運用方法を考えていくのが一番現実的でしょうか。

石光商事のルワンダはスカイヒルという単一ウォッシングステーション指定のマイクロロットコーヒーがあります。
今年は大体11月頃には出荷可能になる予定で、この品質でこの価格という正にコスパを体現していると思います。
また、上記がオーバースペックになるような場合は、来季以降になりますが品質と価格をもう少しバランスよくする(ボリュームゾーン)商品もアイディアがあります。
今までルワンダを検討したことが無いというお客様も是非この機会にご検討いただけますと嬉しいです。

アフリカエリア担当
鈴木

2025/09/06 Saturday 21:42

人間ドックと縁起とマンデリン

アジア担当の橋本です。
先日人間ドックを受けました。4年前の胃カメラでの嗚咽トラウマから、検査をためらっていましたが、お医者さんからとうとう「来年は受けてね」と言われてしまいました。健康に気を付けながら日々のビールと向き合っていきます。
最近、東洋哲学の本を読みました。一丁前に同僚にブッダのことを話したり、世界は「縁起」でできていて、全ては繋がっているんだね!と言っていたら怪しまれました。面白かったのが、「空」という概念で、「自分」という存在も、親や社会、経験など無数の”縁”でできているだけで、「絶対的な自分」という実体はない、と見るのが「空」的な視点とのこと。チャットAIに聞いてみたところ、この「空」は「無」とは異なり、「存在しない」ということではなく、「固定した実体ではない、相互依存で一時的に成り立っている」という”柔らかな存在観”だそうです。無いようで有るし、有るようで無いんですね(?)。
最近、フキハラという言葉を聞きました。これは不機嫌ハラスメントのことで自分に起きた嫌な出来事や体調が悪い時に自分は被害者=相手も同じような目に合って良い、というロジックに陥り、他人を責めて自己満足することです。ここ最近、インドネシアのコーヒーの調達や仕入れ調整をしているのですが、相手の状況を鑑みずにこちら側だけの要望をしかも感情的に伝え、相手を困らせてしまうことがありました。困っているのはこちらなのだから、何とかしてよ、という自身の甘さがフキハラとなり、相手にとっても気持ちよくない状況になります。まだこの案件は進行中ではあるのですが、相手の立場になって考えて、現実的な落としどころを探り、三方良しの結末に持っていく努力をしないといけないです。
そんなインドネシアのマンデリンは今、目下価格が上がってきています。北スマトラの収穫が全体的に遅れており、収量もあまり期待できない、と。輸出業者はショートカバーに奮闘しています。安く売って、高く買うという構造になってきてしまっているようです。トランプ関税の影響もあり、インドネシアへの引き合いも増えています。10月以降収穫が本格化していくようなので、また続報をお伝えできればと思います。胃カメラも東洋哲学もマンデリン相場も全部「縁起」でつながってるので、今週も「空」の精神で前向きにやっていこうと思います!

2025/08/31 Sunday 15:25

産地の蕾に思いをはせながら…

ブラジル担当の笹嶋です。
帰国して1カ月、ブラジルの寒さにも苦しみましたが、今度は日本の夏にやられています。ブラジルの気候が少し懐かしい一方で、気づいたことが一つ。ブラジルではアイスコーヒー(Café gelado)の文化があまり浸透していないんです。だからこそ、日本で飲むキリッとしたアイスコーヒーの美味しさを、改めて噛みしめています。

さて、ブラジルは8月上旬時点で標高の高いエリアを除き約8割の収穫を終えていましたが、その後さらに進み、現在は殆どの地域で収穫が完了し、その後のプロセスへ移行しているようです。
また、8月上旬に一部地域で弱い霜が観測され、セラード・ミネイロでも局地的な被害が確認されました。現時点の評価では発生・被害ともに局地的との、一部サプライヤーも来季への影響は限定的だろうと見立てており、現在市場の関心は来年の収穫(開花、結実)に向けた9月以降の降雨に移っております。
産地で開花を待つ蕾をたくさん見ました。農家のみなさんが豊作を願う姿を思い出すと、これからの雨を祈るばかりです…

2025/08/22 Friday 17:49

中米の主要生産国についてアップデート

中米&ベトナム担当のパウです。

今週は中米の主要生産国及びベトナムについて簡単に最新情報をアップデートさせて頂きます。

グアテマラ: 雨が降らない日もありましたが、全体的には降雨量は安定しています。アナカフェによると、2024/25年度の収穫量は約400万袋に達すると予測されており、次のサイクルでは昨対比5%の増加が見込まれています。最近、全栽培地域の農場を訪問したところ、良好な降雨量に支えられ、豆の密度が高いことが分かりました。これらの要因により、収穫量は豊富になると予想されています。
一方、昨年の同時期は長引く干ばつと高温に見舞われ、収穫量と品質の両方に悪影響を及ぼしました。しかし、気象パターンが予期せず変化する可能性があり、豆が完全に成熟するまでにはまだ時間が必要であるため、明確な予測を立てるのは時期尚早です。
現時点では、低地農場での収穫は10月、高地農場での収穫は12月に開始される見込みです。しかしながら、労働力不足は依然として業界にとって大きな課題となっています。

ホンジュラス: 良好な気象条件、肥料使用量の増加、価格上昇に伴う農場管理の改善により、2025/26年度作物の生産量が大幅に増加すると予想されます。
流動量の逼迫により多くの輸出業者が2024/25年度の契約不履行に見舞われたことを受け、輸出業者は来シーズンに向けてより多額の信用枠を確保し、資金調達手段の多様化に取り組んでいます。コーヒー産業への融資を従来行ってきた大手国営銀行は、2024/25年度に信用枠の大半を引き揚げたため、依然として傍観者的な姿勢を保っています。近年、多額の損失に直面しているため、これらの銀行が再び参入するかどうかは不透明です。

ニカラグア: 早すぎる雨と開花により、収穫は早まると予想されます。10月には低地からコーヒー豆の供給が始まり、11月と12月に主な収穫が行われる見込みです。
コーヒー産地全体では良好な降雨が報告されており、豆の生育に好影響を与えています。理想的な気象条件に加え、農園のメンテナンス活動が強化されているとの報告もあり、今後の収穫の可能性について明るい見通しが示されています。
一部の輸出業者は、近隣諸国と比較して、EUDR規則への準備が遅れています。12月30日の施行日までに規則の遵守を確実にするために、さらなる支援が必要となります。

ベトナム: ロブスタの生産者は2024/25年の収穫量の約85%を販売した。輸出業者は、今シーズン、新たに植えられたいくつかの地域で生産が開始され、投入量の増加と理想的な天候により、古い木の収穫量も増加したと報告しています。
ニュークロップ収穫は通常より数週間遅れて10月下旬に始まると予想されています。土壌水分は平均を上回っており、近い将来も理想的な気象条件が続くと予想されます。

以上、ご参考になれば幸いです。

2025/08/13 Wednesday 13:13

CarbonZero Project

コロンビア担当の花岡です。 今回は、現在ウイラで推し進めているGHG削減対策「CarbonZero Project」の進捗をご報告いたします。

そもそもコロンビアで脱炭素の取組みをスタートした背景としては、この国の小規模農家の割合の多さがあります。家族経営の農園が中心なこの国で「今日からGHGを削減してください」と言っても、生産リスクのあることをしたくないと拒まれたり、相互理解の不足で進まないことがかねてより問題でした。高齢の生産者も多いため、新しいことに対して決して前向きでない人の割合も多いのです。「お金を出せば誰でもできる」というほど簡単ではないと感じています。そういった状況の中で私たちは、長年良質なコーヒーを供給してくれ、現地サプライチェーンも強いSKN社とともに、「現地密着型」を強みとした取り組みを進めています。

プロジェクトでは、GHG排出量の少ない化学肥料を使用してコーヒー栽培を行います。更に重要なのは、各農家が「現在どれくらいのGHGを排出しているのか」を理解するために、一次データを集め分析することです。先にお伝えした通り、この国においてそれは極めて重要な価値を持っています。 第一フェーズである今年は、各農園にその地域をよく知る技術指導を派遣し、精密なデータ収集を行っています。これをもって来年以降本格的な脱炭素コーヒーの生産を進めてまいります。

私がエリア担当を引き継いだ当初からの構想で約3年、個人的にも思い入れのあるプロジェクトです。 この取り組みが成功すれば、3年後には対象農家を拡大していきます。農家にとってはコーヒー栽培が安定した収入源となり、次世代にも受け継ぎたい仕事となり、また消費者にとっては環境に優しく美味しいコーヒーを供給することが可能になるサイクルの実現を目指します。

archives

[ 2022 ] [ 2021 ] [ 2020 ] [ 2019 ] [ 2018 ] [ 2017 ] [ 2016 ] [ 2015 ] [ 2014 ] [ 2013 ] [ 2012 ] [ 2011 ] [ 2010 ] [ 2009 ] [ 2008 ] [ 2007 ]