ブラジル視察途中経過報告
アジア担当の橋本です。
ブラジルに来て2週間が経ちました。例年に比べて肌寒いです。朝は10度近辺になり、気温差の影響で鼻水や咳に悩まされつつ、相方の笹嶋と薬や食料を交換しながら(たまにカイペリーニャを飲みながら)過ごしています。
さて、今年のブラジルの品質状況についてですが、楽観視はできないと感じています。収穫初期の乾燥工程での降雨の影響により、薬品臭のロットが増えていることや、成長過程で地面に落ちたチェリー(グラウンドコーヒー)の量が例年10〜15%のところ、今年は20〜25%ほどに増えていました。ただし、グラウンドコーヒーでも早めに回収できれば品質に問題はないため、今後の状況を注意深く見ていく必要がありそうです。なお、プレミアム系のコーヒーについては満足のいくカップクオリティになっています。
収穫の進捗状況は場所によって異なり、50%ほどのところもあれば、標高1,000m未満のエリアではすでに終わりに近づいている場所もありました。収量については、全体的に各社が当初出していた予想より10〜20%程度減の見込みとなっています。干ばつの影響でチェリーが多く地面に落ちただけでなく、中の生豆も軽くなっており、通常500Lのチェリーから60kgの生豆が得られるところ、今年は600Lのチェリーを使っても60kgに満たないケースが多いとのことです。一方、スクリーンサイズについては昨年と比べて全体的に大粒が多く、一部を除けば問題なさそうです。農家は相場が下がってきたタイミングで売りに出し、7月は静観姿勢だったようです。まだ国内価格も十分利益が取れる水準であり、8月まで様子見を見つつ、霜が降りないということになってから、手元の在庫を売っていくのではないかとみています。
トランプ関税がブラジルに50%、8/1から適用される予定でHOTな話題になっています。既にカナダに入れて陸路でアメリカに輸送対応しているロースターもいます。ブラジル政府も対応しているとのことですが、トランプ氏と話が進んでいないようで、適用されると1/3(約800万袋)のアメリカのコーヒー消費を支えていたブラジルコーヒーが減る&コロンビア+中米からの調達量が増え、ブラジルの産地価格は緩む可能性もありそうです。
来期については、雨も適度に降っており、木々の状態も良いことから、収穫量の増加が見込まれます。新しい原料含め、帰国後に皆さまにご紹介できればと思っております。