情報提供

2025/07/27 Sunday 21:35

ブラジル視察途中経過報告

アジア担当の橋本です。
ブラジルに来て2週間が経ちました。例年に比べて肌寒いです。朝は10度近辺になり、気温差の影響で鼻水や咳に悩まされつつ、相方の笹嶋と薬や食料を交換しながら(たまにカイペリーニャを飲みながら)過ごしています。
さて、今年のブラジルの品質状況についてですが、楽観視はできないと感じています。収穫初期の乾燥工程での降雨の影響により、薬品臭のロットが増えていることや、成長過程で地面に落ちたチェリー(グラウンドコーヒー)の量が例年10〜15%のところ、今年は20〜25%ほどに増えていました。ただし、グラウンドコーヒーでも早めに回収できれば品質に問題はないため、今後の状況を注意深く見ていく必要がありそうです。なお、プレミアム系のコーヒーについては満足のいくカップクオリティになっています。
収穫の進捗状況は場所によって異なり、50%ほどのところもあれば、標高1,000m未満のエリアではすでに終わりに近づいている場所もありました。収量については、全体的に各社が当初出していた予想より10〜20%程度減の見込みとなっています。干ばつの影響でチェリーが多く地面に落ちただけでなく、中の生豆も軽くなっており、通常500Lのチェリーから60kgの生豆が得られるところ、今年は600Lのチェリーを使っても60kgに満たないケースが多いとのことです。一方、スクリーンサイズについては昨年と比べて全体的に大粒が多く、一部を除けば問題なさそうです。農家は相場が下がってきたタイミングで売りに出し、7月は静観姿勢だったようです。まだ国内価格も十分利益が取れる水準であり、8月まで様子見を見つつ、霜が降りないということになってから、手元の在庫を売っていくのではないかとみています。
トランプ関税がブラジルに50%、8/1から適用される予定でHOTな話題になっています。既にカナダに入れて陸路でアメリカに輸送対応しているロースターもいます。ブラジル政府も対応しているとのことですが、トランプ氏と話が進んでいないようで、適用されると1/3(約800万袋)のアメリカのコーヒー消費を支えていたブラジルコーヒーが減る&コロンビア+中米からの調達量が増え、ブラジルの産地価格は緩む可能性もありそうです。
来期については、雨も適度に降っており、木々の状態も良いことから、収穫量の増加が見込まれます。新しい原料含め、帰国後に皆さまにご紹介できればと思っております。

2025/07/20 Sunday 20:39

産地の洗礼

今月よりブラジル入りをいたしました笹嶋です。
事前に伺ってはいましたが、今年のブラジルは例年よりも少し寒い模様。
にもかかわらず寒さ対策をなめておりました…大反省です。。

さて現在ブラジルのマーケットにおける注目は、トランプ政権によるブラジルからの輸出品への関税引き上げに関してです。8/1から適用ということもあり、発表後何度か米国ロースターとの打ち合わせなどもしているサプライヤーの姿も見ております。
事実上コーヒーに関してはアメリカ、ブラジル共に代替国となるような国がいないため、実際に施行されるのかはいまだにわかりませんが、もしこのまま施行に向けて動きだせば、短期的には相場高騰(すでにやや高騰気味)、さらにほか生産国の需要が上がり、価格もまた高騰してしまう可能性も考えられます。引き続きこのあたりの情報はキャッチしていきながら共有させていただきます。

また、具体的な収穫などに関してはこれから引き続き関わりのある農家を訪問しつつ確認する形になりますが、一部サプライヤーからは乾燥の時期に雨が降ったことで、一部早めに収獲をされた商品などに関して薬品臭などのリスクがあるようです。8月~9月など早めの時期に積む予定の商品はこのあたりのリスクを我々も考慮しつつ、難しい状況ですが引き続き買付も含め進めてまいります。

2025/07/11 Friday 17:18

中米の主要生産国についてアップデート

中米&ベトナム担当のパウです。

今週は中米の主要生産国及びベトナムについて簡単に最新情報をアップデートさせて頂きます。

グアテマラ: 24/25年の総収穫量はわずかに減少しましたが、これは主に2024年の雨期の初めにコーヒー農園の開花期に影響を与えた長期の干ばつのためです。このような状況にもかかわらず、豆の熟成の不均一性と労働力不足のため、高い基準を確保するには追加の精選作業が必要であったものの、収穫されたコーヒーの量と品質は依然として良好でした。
続く気候の変化は今シーズンでもコーヒー栽培において大きな影響が見られました。長期にわたる干ばつの後に過剰な降雨が続き、いくつかの地域で品と量の両方に悪影響を及ぼしたと見られています。

ホンジュラス: 25/26年度クロップの生育に注目が集まっています。雨期が始まり、生産者は農場の維持管理作業で忙しい時期に入りました。ICEアラビカ市場の下落を受けて、地元マーケットに入るパーチメントの量が増加していますが、その大部分はシーズン末期の品質です。

ニカラグア: 今年は例年より早く雨が降り、収穫期に悪天候がない限り、2025/26年度の輸出シーズンは11月に始まると見られています。開花は4回と報告されており、収穫は均等に行われることが予想されます。
遅延した出荷数は徐々に減少しています。

ベトナム: ロブスタ種の生産者は24/25年度の収穫量の約80%を販売しました。25/26年度の収穫量の好調な進捗は、生産者と輸出業者に今後の収穫のためのスペース確保を促す動機となっています。現在、コーヒー生産地域全体の天候は作物の生育に好調です。土壌水分は例年を上回っており、今後も安定した降雨が続くと予想されます。多くの輸出業者は、より高い関税が発効すると予想される7月9日までに、できるだけ多くの量を米国に出荷しようと努めたと報告されています。
産地にはカレント収穫分の約10%が未だに保管されているといわれ、生産者と買い手の価格予想の不一致により、市場活動は低調なままです。

以上、ご参考になれば幸いです。

2025/07/04 Friday 19:33

コロンビア収穫状況

コロンビア担当の花岡です。
各地で梅雨明けが発表されいよいよ夏本番ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は暑さに対抗するためか最近無性に辛いものが食べたくなり、色々な辛味調味料をそろえるのがブームとなっています。そのせいか辛さに対する味覚が少々鈍ってきている気がするため、何事もほどほどに気を付けようと思います。

さて、コロンビアでは現在ミタカ収穫が進行中です。今月中に収穫ピークを迎え、9月には流通量が大きく減少する見込みです。
昨年ラニーニャから脱したことで、過去12ヵ月間の生産量は1,460万袋と2023/24年比で23%もの回復を見せています。ただ、直近4、5月は大雨によりミタカ収穫開始が遅れたことで、前年比30%近く減となっています。輸出業者は船積み遅れの解消に注力しており、それらが入港するまであと1-2か月は現物のタイト感が続くと思われます。
また、大雨により10月以降のメインクロップ開花へのダメージが報告されており、事態の大きさが分かるまで輸出業者は先物オファーを控えています。

コロンビアの産地価格は下落していますが、NY相場の急落に相対してディファレンシャルは上昇を続けています。中長期の価格アップダウン幅が比較的大きいオリジンでもありますので、動きを注視してまいります。

2025/06/29 Sunday 15:32

タンザニア出張から帰国いたしました。

こんにちは。アフリカ担当の阿部です。


この度、6月14日から6月27日までの期間中タンザニア出張の機会をいただき、先日無事に帰国いたしました。本出張ではタンザニア南部、北部、西部を訪問し、まさにこれから収穫のピークを迎える時期に現地を視察いたしました。収穫状況や精選工程の確認を行い、ウェットミル、ドライミル、倉庫の見学をさせていただきました。また、ニュークロップのカッピングも実施しました。


実際に産地を訪問することで、教本や資料で学んだ以上に多くの新しい発見がありました。文書で学んだ工程が実際にどのように行われているかを目で確認できたほか、タンザニア国内でも地域によって農園の規模や精選環境、工程が異なることが分かりました。同じ地域内でも、各ウェットミルごとに細かな手順の違いがあり、「タンザニアの水洗式」と一括りにするだけでは想像がつかない複雑な現場の状況について学ぶことができました。


さらに、生産者の方々と直接お会いできたことは大変嬉しい経験でした。初めてお会いするにもかかわらず、皆さまが温かく迎え入れてくださり、コーヒー作りに懸命に取り組まれている姿が非常に印象的でした。現地でのコーヒー作りにおける苦労を目の当たりにし、それでも笑顔でお仕事に励む姿を見て、産地の努力の結晶を日本へ届けることができるという重要な役割を担っていることを改めて実感しました。


前回投稿時に未訪問だった西部についてお話しますと、今回はキゴマエリアを訪問しました。現在生産者が増えているとのことでしたが、主な理由はニューヨークの価格が上がったことで、未来の生産者になる子供たちや女性たちからの関心を集めているようです。ニュークロップのカッピングも実施し、柑橘系の爽やかなフルーツ感もありつつ華やかなフラワリーな香りが際立ち、その後に蜂蜜のような柔らかい甘さも感じられる非常に素晴らしいコーヒーでした。訪問した2つのウェットミルでは衛生管理が徹底されており、入場前に手洗いが義務付けられていました。このキゴマエリアでは、今後ドライミル・パーチメント倉庫・グリーンコーヒー倉庫の3つを1か所に集めた新しい施設を建設する計画が立っており、より質を高める取り組みが進む地域ということもあり今後も注目していきたいと思います。


これまで、消費者や販売者の立場からコーヒーを見ることが中心でしたが、今回の出張を通して「産地の視点」からコーヒーを理解するという新たな知見を得ることができました。本当に貴重な経験です。


今後も、価値あるコーヒーを責任を持って取り扱えるよう、全力で努めてまいります。

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