焙煎を始めて10年は経っているかと思います。
今ではコーヒーの風味の9割程度は原料(生豆)で決まると考えていますが、
決して焙煎を軽視している訳ではなく、だからこそ毎朝自分で焙煎することに
強く拘っています。
焙煎はとても楽しく、そしてとても深い。その深みに気づかなければ私はプロに
なっていなかったと思います。
焙煎を記録して、蓄積したデータから焙煎のナゾに迫ろう。その感覚は最初に焙煎
した時から仕事柄普通にありました。実はこれまでに焙煎したほとんどの記録は
まだ残っています。
最初は手網。コンロの火力、焙煎時の重量変化などが記録されています。
本格的に取り組んだ手回しの焙煎機にはガスの流量計を付けて管理していました。
プロになってからは色を測るようになったり、さらにはできあがったコーヒーを分析
機器にかけて、味や香りのデータをとるようになったり。そして、データをExcelで
管理するようになりました。蓄積されたデータは次の焙煎の道標。私の財産です。
データ蓄積のために、これまでは1分おきに表示される温度を記録してきましたが、
昨年秋から富士珈機さんのロースティングコンパス を使用しています。
既存の温度計に自分で取り付けるだけ(作業時間数分)で、記録の精度を上げつつ、
記録の煩わしさから解放されます。結果の処理もしやすくて、これはかなりの優れもの!
現在の焙煎環境は↓こんな感じになっています。ロースティングコンパスで記録を
取り、焙煎後にカラーメーターで色を測ります。これだけでも蓄積するといろいろと
見えてくるのです。
石脇